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ベッドロッティングbed rotting

ベッドロッティング(英語: bed rotting)とは、日中の長い時間を意図的にベッドの上で過ごすこと。スマホや動画、軽食のお供つきで「何もしない」を自分で選ぶ休み方を指し、2023年にTikTokで世界的に広まり、2024年に米国の辞書サイトDictionary.comが正式収録した。

最終更新 2026-07-31

20億回TikTok再生1ベッドから出ない2スマホ・動画・軽食3自分で選んでやる活動やストレスからの自発的な退避2023年にTikTokで広まり、2024年2月に米辞書サイトが正式収録した
図1 ベッドロッティングの要点。「自分で選ぶ」ことが定義に入っている。

基本情報

原語bed rotting(英語)。直訳は「ベッドで腐ること」
広まった場所TikTok(2023年)。関連ハッシュタグの再生は20億回超と分析された
辞書への収録Dictionary.com が2024年2月に収録。Merriam-Webster も俗語として解説
辞書の定義「日中の多くの時間を、しばしば軽食や電子機器とともにベッドで過ごすこと。活動やストレスからの自発的な退避として」(Dictionary.com・編集部訳)
品詞・使い方名詞(動名詞)。「週末はベッドロッティングして回復した」のように使う

概要

ベッドロッティングは、起きているのにベッドから出ない時間を、休息としてわざと作る行動の名前です。眠るのではなく、ベッドの上でスマホを見る、動画を流す、お菓子を食べる、ぼんやりする——生産的なことを何もしない状態を指します。

ポイントは「自分で選んでやっている」ことです。起き上がれなくてそうなるのではなく、疲れた自分を回復させる手段として選ぶ。だから英語圏では、休みなく頑張り続けることを良しとする文化(いわゆるグラインド文化)への静かな反発、セルフケアの一形態として語られました。

一方で、睡眠や心理の専門家からは「長時間ベッドにいると睡眠の質が下がる」「昼夜のリズムが崩れる」といった注意も繰り返し出ています。名前がついて肯定されたことと、健康に良いかどうかは別の話です。

語の成り立ち

bedrottingbed rotting「ベッド」+「腐ること」。何もしない自分をわざと腐敗にたとえた自嘲の言い方
図2 語の成り立ち。直訳は「ベッドで腐ること」。

bed(ベッド)+ rotting(腐ること)。「ベッドの上で腐る」という自嘲的な言い方がそのまま名前になりました。rot は食べ物が腐る・朽ちるときに使う動詞で、何もせず横たわる自分をわざと大げさに腐敗にたとえています。

言い回し自体は2018年ごろからSNSに散発的に登場していましたが、行動の名前として固まったのは2023年のTikTokです。「一緒に腐ろう(rot with me)」と題して、1日中ベッドで過ごす様子をそのまま流す動画が流行し、ハッシュタグの再生数が20億回を超えるまで広がりました。

他の言語での言い方

日本語には古くから「ごろ寝」「寝転がってだらだらする」という言い方があり、行動としてはかなり近いものです。違いは、ベッドロッティングがストレスからの回復を目的に自分で選ぶというセルフケアの意味合いを帯びている点と、スマホ・動画とセットで語られる点です。「寝だめ」は睡眠を取ることなので、起きたまま過ごすベッドロッティングとは別物です。

日本語での紹介はカタカナの「ベッドロッティング」がそのまま使われており、定訳はありません。

経緯

2018年〜「ベッドで腐る」という言い回しがSNSに散発的に登場2023年TikTokで急拡散。再生20億回超。専門家の論評が相次ぐ2024.2Dictionary.comが見出し語として正式収録
図3 SNSの言い回しが1年で辞書の見出し語になった。
2018年ごろ「ベッドで腐る(rotting in bed)」という言い回しがSNSで散発的に使われる
2023年TikTokで急拡散。関連動画の再生は20億回超と分析される。同年、専門家による是非の論評が相次ぐ
2024年2月Dictionary.com が見出し語として正式収録

使い方(例文)

「今週は詰め込みすぎたから、土曜は予定を入れずにベッドロッティングする」回復手段として宣言する使い方
「ベッドロッティングが辞書に載ったのは、それだけ疲れている人が多いということだと思う」世相を語る使い方

よくある誤解

×ただの怠けを美化した言葉だ定義は「ストレスからの自発的な退避」。回復のために選ぶ行動×起き上がれない状態のことだ自分で選ぶ休み方を指す。起きられない状態は別の問×健康に良いと認められた専門家は睡眠の質や生活リズムへの影響を注意し続けている
図4 よくある誤解と、定義・専門家の指摘。
「ただの怠けの美化」ではない辞書の定義は「活動やストレスからの自発的な退避」。回復のために選ぶ行動を指す名前で、義務を放り出すこととは区別される。
「起き上がれない状態のこと」ではない言葉が指すのは自分で選ぶ休み方。気分の落ち込みで起きられない状態はこの語の範囲外で、別の問題として扱われる。
「健康に良いと認められた」わけではない専門家からは睡眠の質や生活リズムへの悪影響を指摘する声が続いている。名前がついたことと推奨は別。

これからどうなるか

この節は編集部の考察です。出典のある事実は上の節に分けています。

「家から出ず、ベッドの上で1日を過ごす」という行動そのものは、すでに商売の対象として名指しされています。具体例を挙げると、博報堂は消費トレンド分析「ヒット習慣予報」でこの種の行動群を『不摂生ウェルビーイング』と名づけて分析しており、家具のECサイトはこの語を使ってベッド周りの商品を紹介する記事を出しています。寝具・部屋着・宅配食・動画配信といった「出かけない需要」の売り場で、この行動を前提にした商品説明が今後も増えると見ています。

もう1つの影響は健康の側です。睡眠の専門家は「長時間ベッドにいると眠りの質が下がる」「昼夜のリズムが崩れる」という警告を出し続けており、この休み方が広まるほど、企業の健康管理や保健指導の場で「正しい休み方」の説明にこの語が引き合いに出される場面が増えます。休む側にとっての実用的な線引きは、時間を決めて選ぶ休息なら回復になり、抜け出せない常態になったら別の問題のサイン、という点です。

出典

最終確認日: 2026-07-31

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